栄和堂ブログ

鎌倉の端っこにあった書店「栄和堂」僕らはここを「ブックスペース」として本屋の再発明をしていきます。公式HP http://eiwado.space/

バリスタめざして修行中

新生栄和堂の昼の部であるコーヒースタンドの担当は親父である。コーヒーはこれまで飲むことは飲んでいたのだが、凝っているというわけでもなく、スーパーなんかに売っている粉を買ってきて淹れている程度である。若い頃はいろいろなものに手を出してすぐにやめてしまうという典型的なB型スタイルで、墨絵をやったり、パイプを削ったりしていたが、サイフォンで淹れるコーヒーもやっていた。しかし、結婚するとこうした手間がかかることは次第に遠ざかっていった。

そんな親父がコーヒースタンドでおいしいコーヒーを出さなくてはいけなくなった。コーヒーの淹れ方はサイフォンの他にもペーパードリップ、ネルドリップ、フレンチプレスなどがあるのだが、スタンド形式で数をこなさなくてはいけないとなると、手間がかかるサイフォンやネルドリップは避けてペーパードリップでいくのが無難だろう。

ところが、素人がいきなり自力でやったってうまくいくはずがない。いうわけで、ドリップコーヒーをうまく淹れるための修行を始めたのである。修行だからお師匠さんについて習うことになる。その前にいちおう道具を揃えなくてはいけない。ミル、サーバー、ドリッパー、ドリップポット、フィルターを新しく買った。サーバーとドリッパーはハリオ、ドリップポットはパール金属、電動ミルはカリタ製のものにした。その他にもスタバのソロフィルターも購入する。



お師匠さんが二人いてまずは「写楽」のマスターである。和食居酒屋のくせにコーヒーを出してくれる。豆はマンデリンを使っていてネルドリップで淹れてくれるのだがこれがうまいのだ。マスターは凝り性で博学だからいろいろのことを教えてくれる。なので、呑みに行っては左手に盃、右手にコーヒーカップというスタイルでうんちくを聞いている。

次に、実際に商売を始めたときにどこから豆を仕入れるかがある。栄和堂の近くで湘南モノレールの前に「ほしの珈琲豆や」という自家焙煎のコーヒー屋さんがある。そのお店をやっている星野さん夫妻にお願いして豆を仕入れさせてもらうことにする。「ほしの珈琲豆や」はもちろん豆の販売だけではなく店内でもコーヒーを楽しめます。落ち着いた雰囲気でゆったりできるとてもいいお店です。

独自のブレンドは、鎌倉スカイブレンド、湘南シーブレンド、深沢ムーンブレンドといったように地域の名前が冠せられて思わず喉を通したくなります。栄和堂ではこのブレンドをそのまま持ち込もうと思っています。ですから、同じコーヒーを違った雰囲気で味わってもらおうというのが狙いです。誰かとワイワイやりながら、あるいは持ち帰りたいという場合には「栄和堂」で、ゆったりとくつろいだり癒やされたりしたかったら「ほしの珈琲豆や」でという棲み分けができたらいいなあと思っています。

ですから、今ほしのの豆を使ったおいしいコーヒーの淹れ方をマスターに教えてもらっています。マスター曰く、豆が良ければ淹れ方は多少下手でも大丈夫というのだが、ならば「不思議な岬の物語」の吉永小百合に負けないように気持ちを込めて淹れてみようと思っている。