栄和堂ブログ

鎌倉の端っこにあった書店「栄和堂」僕らはここを「ブックスペース」として本屋の再発明をしていきます。公式HP http://eiwado.space/

フィーリングが全て

店長の淳也です。

非エンジニアな僕ですが、エンジニアな兄の影響もあり、YAPC(「やっぷしー」と発音)という技術系カンファレンスに2014、2015の2年間参加したり、miyagawaさんのPodcast「Rebuild.fm」を時々聞いております。

ただRebuild.fmを聞いても、技術的な話はほぼわかりません。ただマネジメントの話や「エモい」話は何となくわかるので、面白く聞いています。

特にnaoyaさんの渋い声が好きで、naoyaさんの回を遡って聞いていると、こんな言葉が出て来ました。

サービスはフィーリングが全てだ

この言葉は、今急成長している人気チャットツールである「slack」が、こんなに流行った理由が僕には分からない、という趣旨のブログについて、naoyaさんが言及していた文脈で出て来た言葉です。

アメリカにはchatter、yammer、Hipchatなど、機能的にはslackと同等のサービスが先にあり、ある程度流行っていたが、後発のslackが結果的に一番広まっている。その要因を機能面に求めるのは間違っていて、「使っていてクールと感じるか」が全てなんだ。naoyaさんはそう分析しています。

↓その回のPodcast

rebuild.fm

↓言及されていたブログ

medium.com

実は当社ワディットでも、コミュケーションツールとしてslackを使っています。もちろん機能的に良く出来ていると思いますが、使っていること自体が「なんかかっこいい 」んですよね。いい気分になれるっていうんでしょうか。

お客様は「良い気分」を買っている

InstagramがTwitterのユーザー数を追い抜いた時、「Twitterを見ているとネガティブな気分になるが、Instagramを見ているとポジティブな気分になる」と分析した記事を見たことがあります。Instagramのユーザーは女性が多いですよね。気分に敏感な女性のユーザーを取り込んで急成長した、というのはおそらく正しいと思います。

最近はお店に立っている時間を減らして、鎌倉にあるブックカフェやギャラリー併設カフェを巡っています。そこで気付くのは、実際に本を読んだり、ギャラリーを見学している人はそう多くは無いということです。

藤沢や代官山のT-SITEにも行ったことがありますが、スターバックスでコーヒーを飲んでいる人の大半はPCで作業しており、本を読んでいる人は少数派でした。でも、席はほぼ満席です。(代官山の蔦屋に至っては、平日の午後11時過ぎにも関わらず満席でした)

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それって、本棚を前に過ごす時間が、「なんだか、こう、いい気分になんだなー」ってことなんじゃないかと思います。本は周辺の音を吸収しますし、本棚という家具とのマッチングもあり、文化的な雰囲気が出ます。その空気感の中で過ごすことに、人はお金を払うのではないか、と。リアル店舗の存在意義はそんなところにあるんじゃないか、と最近は考えてます。


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