栄和堂ブログ

鎌倉の端っこにあった書店「栄和堂」僕らはここを「ブックスペース」として本屋の再発明をしていきます。公式HP http://eiwado.space/

本を売る場から読む場に変えるとき、気付くこと

街の本屋を「コーヒーを飲みながら本を読める場所」に変えるため、リフォーム計画を7月から進めておりましたが、先日やっと工事が開始されました。いやー色々とややこしかった。

というのも、本屋さんという物販モデルから飲食店へと用途が変更されるため、保健所やら消防法やらの基準をクリアする必要があったのです。

そんなこんなで、排煙のための窓が店の入口に必要になりました。様々な手段を検討した結果、入り口全体に新たな壁を作り、上部に排煙のための内倒し窓、真ん中にFIX窓を設置することになったのです。

f:id:wadajr:20150918202131j:plain絵心なさすぎっすねw

そのままオープン出来たら予算もかかんないのに…、とか、全面ガラス張りがこの店の売りなのに…とか思ってましたが、壁を作ることによって結果的に良いこともありました。

現状の全面ガラスだと、本を読んでいる時に車が目線に入ってきてうざい

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元書店あるあるだと思うんですが、1階で、かつすげーオープンな場所なんです(そもそもドアが無い書店もありますよね)。それが売りになるなーてへへ、なんて思っていたんですが、実際に本を読んで見ると、車が目線に入ってきて非常にうざいんです。というか酔う

考えてみれば、飲食店や喫茶店は腰くらいまでの壁があったり、ガラス張りでも腰までは曇りガラスだったりしますよね。あれも色々と理由があるんですね。

ただ全面壁にしてしまうと1階である利点が生かされないし、わいわい型のオープンな場所にしたいので、高さ1メートルの窓を真ん中に設置して、中はそれなりに見えるようにします。バス停の近くなんで、停車中のバスから見えるようにして宣伝効果も狙ってます。

ということで、こんな感じになります。

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これくらいの壁があれば、外で歩いている人もそれほど気にならずに済みそうです。

外から見ても雰囲気が分かる程度にはオープンです。本棚もちゃんと見えるし!

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さて今回の「1階にある」かつ「すげーオープン」という街の書店あるあるですが、他にも色々とあります。

  • トイレが無い(裏の従業員用のしか無い)
  • 本棚が壁沿いにあるので、壁沿いに机をレイアウト出来ない(結果的に席数が少なくなる)
  • 本棚を見るためのスペースが必要(これも結果的に席数が少なくなる)

これらをクリアしてコーヒーやお酒を飲めるスペースにするには、それなりのコストがかかります(リフォーム費用もバカになりません…)。しかしだからこそ、普通のカフェや図書館などとは違ったユニークな場所にできると思っています。席数が少なくなるのも、本棚を眺めながらゆったりと本を読めるという利点にしてしまおうと画策しています。